ニュータイプなギフテッド分析2

ADHD系
ADHD系

 

ASD系
ASD系

 

 

 

 

 

 

 

 

保護者の方は、子供の止まらない集中で心配になったことはないだろうか。物事を深く推測をしたり、アイデアが閃いて止まらない、ニュータイプは、周囲が止められないぐらいものすごいエネルギーで集中できる。

しかし、「ギフテッド」って伝えると、児童の局所的な興味を幼い頃から決めつけてしまい、小さなカテゴリに収めてしまう気がすること、大人の期待が本人の特性を遮ってしまうのではないかとも思い、「何に役に立つのかはわからない才能をもつニュータイプ」と、置き換えたいと考える。例えば、香りに関心の高い児童は、実は、香りだけではなく、音響などへも関心が向き、結果としては、「目では見えないこと全てへの興味が高い」のかもしれない。今は、決めつけないことだと思う。

2回目は、ニュータイプを観察をしていて、私が思う特長と問題、育成について考えてみたいと思う。


ベクトルのつよさ=過集中

  • 環境に関わらず、自分の本当や正直、短期的な本質を極める(アスペルガー傾向)
  • 環境に順応して、関連や結びつきを捉えて常に変化をしていく(ADHD傾向)

「何かを知りたいエネルギーが強い。」双方のニュータイプは、周囲の人々、ノリにブレない「自閉(閉じた世界)」も兼ね備えていて、自分に正直で他者に合わせづらい。「ご飯を食べなさい、お風呂に入りなさい!」と伝えても、家族からの心配を気遣うよりも、自分の興味や関心に正直で、集中をしている自分自信にも気がつかない。

児童なので、他者の視点で自分をみることができないので、特別な能力を有するとは思っていないし、集中している題材へは、努力どころか楽しい思いの方が強いので、能力に疑問を感じていないのだ。

真逆ではあるが、多数派な営業仕事の人は、日々接客業務に追われているのか、プライベートに関しては人付き合いが悪いなあと感じることがある。休みの日ぐらい人に会わずに休みたい。多数派の悩み事の一例だ。過集中をする児童や当事者とは、真逆で、自分で閉じておきたいと思っている。

ゲームに集中をすることとは異なる。夢中になることは、「他者が作ったゲームのフレーム」のなかであり、「あらかじめ用意された条件」をエンドレスにやることであり、「ゲームのフレーム外」から見れば、そのゲームの知識の所有は非効率であり、他者のロジックへの依存である。よって、施設では、クリエイターも含めてプロが作ったゲームを禁止している。

私は、4日間鉄道模型のプラモデルで連続過集中をしていた。仕事でも、数ヶ月家に帰宅しないこともあった。


1.深める系なニュータイプ(アスペルガー系)

「なぜ?止められない欲求と、条件分岐を先に進める楽しさ」

 

左の図は、私がアスペルガー系な人に感じるイメージだ。リニアで論理的な思考になっていると思う。

「どういうこと?」、「なぜ?」、限定されたことについて深めて、目に見えない本質や根元を知りたいという欲求だと考える。高知能ゆえの、(取り繕いはできても)周囲と心から交われない孤立感と、深い推察力。なぜ交わることができないのか無意識の探求が、自閉的+探求のはじまりと考えている。

不適応が少なければ、多数派的なその場の問題解決や同調だけでも生活はできるから、深める必然性は少なくなって消滅するように思う。

「ことばで説明しないと理解が難しい」

私が緊張感が高くASD傾向な社員に、「プレイステーションを持ってきて」と伝えた。その時にプレステ本体だけを持ってきて、ACアダプターやコントローラー、ゲームソフトを持ってこなかったことがあった。

全体を俯瞰した視点や物事の関連付けは弱く、部分的にきめ細かい。深く進んだ条件分岐を、最初の場所まで遡らなくてはいけないと予想する。プレステ本体に対して、コントローラや電源は、装置の備品であるのだ。細かく手順がないとわからないと言われる問題でもある。左図のように、2つの●要素は非常に近い位置にあるが、一度灰色の矢印のように原点に戻らないといけない。プレステの本体と、コントローラは機能や目的が異なるので、遠回りをした経路で認識できるのだと思う。

 

 

 

円=フレームは、プレイステーション群で、多くの人は、群全体を示すのだが、当人は、そのフレーム全体よりも、細部を見ているのだ。

  • 俯瞰する視点は乏しいが、専門領域への精度は高い
  • 本人が行き詰まることは、他者は簡単な問題解決かもしれない
  • 言葉にはできない、心に些細な悩みが多いのかもしれない
 

 

 

「多動系な提案で選択肢を与えて、気づきをあたえる」

私は、真逆の特性を持つ多動系の人が、面白いことを提案をして、児童本人の力で取捨選択させ、自由に深く学ばせることだと考える。その時は興味がなくても、今後起こるであろう関心へ向けて、近い部分の飛躍ができるように準備をする。関心の近い範囲(フレーム)で新しい提案をおこなうことではないかと思う。

私は、音楽のドリルを進めているが、音楽を楽しんでもらうためにも、イントロクイズや、生活音当てクイズをおこない、音についてじっくり聞いて関心を高めるトレーニングをおこなった。クイズの延長線上で、聴音を実施して、楽譜を書く初歩の練習をおこなった。そして、音程をあげたりさげたりする、移聴(転調)で、話声や歌声が面白く変わることを伝えながら、#やbといった記号を教えた。

自閉傾向のある児童の欠点である、複雑な問題解決ができるように指導をしたいと考えている。

例えば、ドーユーラボでは、ラジコンや、ネットに対応した電子デバイス、Macなど用意をしているが、ラジコンのモーターの原理に興味を持ったとすると、施設としては、大変であるが、モーターの回転数や速度を上げるためには、どうしたら良いのか。バッテリーを増設をするわけだが、増設をすると、なぜ、モーターの回転数が上がるのか。とか、モーターが焼き切れてしまうのはどうしてなのか?モーターが熱を持つことななぜなのか、丁寧に理由を考えさせることだと思う。電圧を上げることによって、回転数が上がることと、電圧を上げることによって、MacCPUも高速なクロックで動作するので、処理速度が速くなることもも関連をしている、と気がつくと面白い。

 


2.飛躍するニュータイプ(ADHD系)

「新しいことを連鎖させて、飛躍する楽しさ」

図の中の矢印は、面白そうな1つの興味対象に飛びつく意味だ。面白い興味対象の要素は「大まかに深掘り」するが、深く調べるよりも、知らない新しい事項に飛躍をして、知識の枠(フレーム)を拡大していく。

例えば、「プレイステーション」に興味を持ったとすると、プレステのゲームの種類への興味を持ち、ゲームで遊ぶうちに、ゲームコントローラに搭載されている新しい機能(ボイスチャット)に関心が高まり、グループで話しながら遊べるゲームでも遊ぶようになり、会話をしながらゲームができる面白さに夢中になる。きっかけに、スマートフォンのアプリのライブチャットの仕組みに関心を持ち、興味の対象が広がっていく。その際に、それぞれの興味対象の項目も再び連鎖をして、プレステのコントローラーをスマホにつなげることは、理論上(Bluetooth)なので、できるので、チャレンジをしてみようと思う。

関連をすることがどんどん繋がっていく楽しさは、日々たくさんの情報が入力されて、本人は優先度づけすることなく、連結をしあう素質があるのだ。アスペルガー傾向のように、1つ1つを深掘りすることなく、全体を俯瞰をしてフレームが合体をしたり、広がっていくイメージである。

ラッパーは、ADHDの要素が強いと思うが、下記のような言葉遊びが瞬間にでできる。なんとなく、意味や言葉の響きなど近いけれども、直接的ではないことの連鎖が、面白い。「戦闘モード、船上、毛沢東は、モーレツ、劣等感の当事者列強、最高の・・・」(セン・ 戦争=兵器=船) (革命家、政治家、毛沢東、モードと毛、地図の東)(モーと毛、レツ・列強)

長嶋監督の記録がYOUTUBEにたくさんあるが、「ダァーっと、バーっと、いわゆるひとつのとか、スッポンポンをスッピンピン」など、意味や用法は誤ってはいるが、言葉の強度やリズム感、単語の総合的な意味は間違っていないことが多く、利き手は意味としては困惑をするが、思いや気持ちは受け取っている。意識レベルの世界が抽象的で感覚の世界が広いと感じる。

「ゼロイチで創造的」

一見無駄な情報が連鎖・関連付けをするので、これまでにない新しい発想や個性的な表現、問題解決ができる。アスペルガー系の欠点である、抽象的でたくさんの情報から、特定の情報を取り出すことが得意である。個性的で、言葉にできない作品や、これまでにない何かを生み出す力がある。

「ことばにできないのでつたえられない」

日頃ノイズをたくさん受け取ってしまうので、いろいろな思考がぐるぐるしてしまうのだ。例えば、自分の場合はプッシュ通知やメールマガジンなど、見るだけで、自動的に考えてしまったり、街を歩いていても、いろいろなものが気持ちの中に侵入をしてくる気がする。特に音に関しては、同時にいろいろな情報が並列に入ってくるために、大事なこと1つにフォーカスを当てることが難しく、注意が散漫になる。同時に5人の方が伝えることも、理解はできるのだ。つまり、ノイズをいかにカットをするかが大切で、情報が絞り込まれているアスペルガー系とは真逆である。

無意識で自動的に入ってくる情報は、考える暇もなく連鎖して繋がっていくので、理屈で伝えることがなかなか難しい。アスペルガー系は深く探索をしているので、理路整然と説明ができるが、意味を考える前に常に実行をしているADHD系は、他者に伝えることが難しいのだ。

「抽象的な表現を受け取る、言葉を代行してあげる」

本人の言葉にできない思いや気持ちは、意識レベルの早い連鎖であるので、否定をせずに、「それは、このような意味があるかもしれない」とか、「なぜ?」などと、理由化できない本人の思いを、体系化をして整理をさせることだと考える。思考の中に絵的なイメージが広がっているので、イメージを壊すことなく、言葉にして周囲がまとめてあげることだと考える。

また、何か1つを保守的にやり遂げないといけない場合は、関連をする他のことを同時に与えて、マルチタスクで興味を分散をさせて、その中のひとつだけは、完成させて欲しい。と伝えることがポイントだと考えている。

 



児童それぞれの個性を、それぞれの伸ばし方で

私は、大枠としてニュータイプを、アスペルガー系・ADHD系の2タイプに分けてしまったが、 児童ごとの特性があることはもちろんだし、観察をしていてなんとなく思うことでアドバイスをしてみると、想定外だったり、思った通りになって、面白い。

不適応問題も、こだわりや本人の特性ゆえで、場面さえ変えれば長所に転用できる。私自身が多動でもあるので、児童が「常識的によくないことをした」でも、果たして悪いだけなのだろうか?と疑問を持つこともある。うまくできない時には、できない理由が正しくわかれば、問題の解決をしたり代替案が思いつく。

研究は「悪い変な部分にも興味が向かったり」飛躍した発想は、「時にはよくない部分でもあり」大人は緩やかに観察をして、守っていれば良いと思う。

ドーユーラボでは、児童それぞれのプラス面の特性を研究をしていきたいと考えている。

児童が社会で大きくはば立つためにも、直面をしている問題以上に、「将来の目標のため、視野を広くする」ことによって、結果「目先の問題を解決していた」となると思っている。

以上は、私個人の思うことをまとめたわけだが、今後しっかり学んでいきたいと考えている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA