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「雨音はショパンの調べ」から多動リンク

 

 

今、ポーランドのワルシャワにいる。

ショパンの生誕の地でもあり、博物館へ行って見た。ショパンは全部難しくて弾ける曲がなくて、頑張って「別れの曲(練習曲作品10-3)」ぐらいだから、僕にとっては嫌味ったらしい。それよりも、子供のころにヒットした、1983年の小林麻美の「雨音はショパンの調べ」の方が印象的で、子供の頃はショパンの曲だと思っていた。

ワルシャワの駅から、ホテルに移動する間、頭の中で勝手にループになっている。まったくショパンの楽曲な雰囲気でもないし、シンプルで大胆だけれども、アレンジが好きだったのだと思う。

1983年=10歳の感覚を思い出しているが、音楽が好きで、目に見えない音楽を何度も細かく分析して聞いていたことは、大人になって作曲をしたり編曲をしたことにとても役に立ったことと、頭の中に想像の空間が広くなったと思う。

僕は、小学生のころからFM放送のエアチェックをカセットテープに録音していて、当時感じたこと、聞き方を思い出してまとめてみた。今は、大人になって語彙が増えて「言葉化」しているけれども、子供の頃も、多分似たように考えていたと思う。僕は、音楽を細かく部分を分析して聴いていた。

 

「I like chopin」

 

もともとは、イタリアのガゼボが歌った「I like chopin」で、ヨーロッパでヒットしたが、イギリスやアメリカではヒットチャートにも上がらなかったのではないかと思う。多分、イタリアなまりで「Re-member the Pi-A-No」「Con-fusion」とか、メロディーへの歌詞の載せ方が独特だから、大ヒットまでは難しかったように思う。

ただ、歌詞の「Rainy days never say goodbye To desire when we are together」の部分がとても美しくて、歌詞と、雨の日の雰囲気と、ピアノの空間がとても良いなと思っている。

また、そのころ英国では、ニューロマンティックという、男性が集めの化粧をしておしゃれなロックを歌うバンド、デュラン・デュランスパンダー・バレエといったニューウェーブ+ポップスバンドのように、コンピュータを多少使ったエレクトリックで、ビジュアルもかっこいい、美しさや耽美的な雰囲気のポップが加わった時期だと思う。この曲も、おしゃれ系なポップスなのか、ロックだったのか、曖昧なポジションなのはこの時期の特徴だ。

ドラムについては、聴いての通り、2拍4拍のスネアは、シモンズというこの当時はやったリズムマシーンを使っているが、この時期白人系のサウンドで、かなり聞くことになるシンセドラムだ。音が重いわりに、ピッチが高いので、曲に合わず、多分、今後リバイバルしないであろうリズムマシーンだ(と思う)。(Princeやワムのラストクリスマスで使われる、LinnDrumという同時期のリズムマシーンの方が流行った。)

リズムについては、16ビートのリズムマシンのハイハットで、一番低い、ドスの、バスドラは実は生ではないかと思っている。また、この楽曲で世界で一番早かったと感じるのは、「クラップにロングディレイ」をかけることだ。曲の節で「手をたたくおとに、ぼわーん」と長いエコーが入ると思うが、この技法は、いまだにEDMやユーロビートでも使われると思う。

私が、ちょっと不思議というか、良い感じだなと思うのは、シンセサイザーの幻想的なパッドの使い方や、メロディーに応答するピアノのリフの美しさだ。実は、僕の大好きな、YMOのPerspectiveのアレンジの参考元ではないかと思う。(1983年の最終アルバム/Service制作開始前だからだ。)

 

カバーが原曲を超えた「雨音はショパンの調べ」

女優(もともとアイドル)だった小林麻美版は日本版にカバーをしてヒットした。カバー版と原曲を聴き比べて見てほしい。

小林麻美版は、原曲よりも、アレンジやミックスが緻密で、スネアの音が重くなった割には、軽快だ。原曲はシンセサイザーの打ち込みベースだったせいで、ものすごく堅くなっていたが、カバーでは、多分生ベースで弾いているだろうから、音のアタックがまるくなり、軽くなったのだ。

松任谷由実による歌詞も絶妙で、原曲がとは真逆で、アンニュイだ。曲のメロディの立ち上がりを考えて、きれいな響きの単語が使われている。「膝の上にほほをのせて」と具体的な光景の描写と、「雨の調べ」といった抽象的(よくわかりづらい)な表現を織り交ぜている。この感じはフランスな雰囲気だ。

 

ジェーン・バーキン

小林麻美版で、一番気になった部分は、ボーカルのブレスの部分だった。

「こころ > しびらす > あまい」>は、息継ぎの音をあえて過剰に強調しているが、当時とても感動をして、どのようになっているのか不思議だった。

それで、大人になって曲を作ったり、ボーカルのディレクションをする際に、初めて「ボーカルのブレス」技法にトライをしてできたときに、うれしかった。フランスの女優「ジェーンバーキン」のアルバムを聴くとこの技法が見られることがわかった。(ボーカル録音の際に、コンプレッサーという機材を深めにかけるとこうなる!)フランス語の響きに思う。

フランス語の素敵なところは、リップノイズ(唾の音)も含めて、無性音や呼吸の音が美しく、レコーディングにも入れてしまうのだ。

「雨音はショパンの調べ」レコードのB面はLolita go homeだったりする。フランスの女優ジェーンバーキン。

 

僕は、子供の頃、音楽から音楽へリンクをしていき、「この部分はどのようにやっているのだろう?」「この曲のジャンルは何だろう?」と思って、音楽のFM放送を聴いて調べたりしていた。面倒くさい性格だ!

ということを考えながら、ワルシャワでのんびりしている多動だ。

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